失敗しない胡蝶蘭の株分けの仕方とは?上手な増やし方と注意点を解説

胡蝶蘭は、極稀ですが脇芽を発見できれば株分けをして増殖することは可能です。ただし胡蝶蘭は株分けで増やすことは難しく、脇芽を見られたら大変貴重な体験になるでしょう。そこで今回は、奇跡的に脇芽が見つかり株分けに挑戦したい方に向けて、失敗しない胡蝶蘭の株分けの方法を解説します。


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胡蝶蘭は株分けで増やせる?

胡蝶蘭を増やしたい場合は、鉢植えの胡蝶蘭を子株や高芽が出るまで育てて、根と一緒に切り離す「株分け」と呼ばれる方法を用います。

とはいえ、胡蝶蘭は単茎種の一種で、上へ上へと成長していくのが一般的です。株分けできる脇芽が出にくく、頻繁に株分けして増殖できる花ではないことを知っておきましょう。

販売されている胡蝶蘭の多くが、ひとつの鉢に複数株寄植えされています。胡蝶蘭の株分けに挑戦する場合は、寄植えされている株を別々の鉢に植え直して管理するほうが、胡蝶蘭の生育において良い方向に進むでしょう。

胡蝶蘭の株分け方法

胡蝶蘭の株分けは、子株を株分けする方法と高芽から株分けする方法の2種類です。株分けを行う際は、どちらの方法でも春の暖かい時期に挑戦しましょう。

また、株を分ける際に使用するハサミは、火で刃を炙って消毒します。植え付けのときには、できるだけ小さな鉢を選んでおくと水やりの管理がしやすいです。

小さな鉢の場合は、すぐに土が乾くため、乾いたらすぐに鉢の底から水が出るくらい水やりを行いましょう。

子株を株分けする方法

胡蝶蘭の株元を見て葉が生えているなら、それが子株です。子株の葉が2~3枚になって、親株とある程度距離ができるくらいまで育ったら、根にも注目してください。根が3本以上出たタイミングであれば、株分けできます。

子株が生えてきてから葉が2~3枚になるまで育つには、1年ほどかかるので、子株を確認したら根気強く育てましょう。

株分けをする際は、胡蝶蘭の親株を鉢から抜いて、根についている植え込み材や苔を丁寧に取り除きます。このとき、株を傷つけないようにピンセットなどを使って、できる限り優しく取り除いてください。

植え込み材や苔が取り除けたら、子株を根本から切り落とします。力を入れて親株を握ったり、健康な根を折ってしまったりすると、胡蝶蘭を弱らせる原因になるので注意しましょう。

子株は、親株とは別の鉢に植えます。親株、子株ともに、根が新しい土に慣れるまで1週間~10日前後かかるので、この期間の水やりは控えてください。

高芽から株分けする方法

茎の高芽から株分けする場合は、高芽から出てきている根が5cm以上になっていることを確認しましょう。根が十分に成長していないうちに株分けしてしまうと、成長せずに株分けに失敗してしまいます。

高芽を切り離すときは、根を傷つけないように慎重に作業してください。親株から高芽を切り離したら、根の部分に吸水させておいた水苔を絡ませ、小さめの鉢に植え付けましょう。大きな鉢に植え付けてしまうと水苔が多くなり、根腐れになる恐れがあります。

胡蝶蘭の株分けした後の注意点

胡蝶蘭の株分けを成功させるために、株分け作業後のポイントも押さえておきましょう。

株分け直後の植え替えは控える

株分け後の胡蝶蘭は、親株、子株ともに急激な環境の変化が起きて疲れている状態です。株分け直後の植え替えは、株を弱らせる原因になります。

元気に株を成長させるためにも、株分けしてから最低1~2ヶ月は落ち着かせてから植え替えをするようにしましょう。

水苔を乾燥させすぎない

胡蝶蘭は、水やりのタイミングが難しい植物として知られています。季節や湿度によっても水やりの頻度が変わるので、決められた間隔で水やりをしていると、根腐れや水分不足で株が弱ってしまうのです。

株分け後は、特に繊細な状態になっているため水苔を注意深く観察し、表面が乾いてきたら水やりをするようにしましょう。

株分けした後は葉の状態を見て適切に管理しよう

株分け後の胡蝶蘭が、問題なく成長しているかを確認する指標のひとつとして、葉の状態を見ることが挙げられます。

葉の色が黄色い場合

胡蝶蘭の葉が黄色くなってきている場合は、葉の寿命による変化なので心配する必要はないでしょう。どの胡蝶蘭にもいつかは見られる現象なので、特別な対処もいりません。

黄色くなっている葉を見つけたら、そのまま完全にしおれてくるまで待ち、枯れてしまってから取り除きます。

黄色に変色してきたからといって無理やりちぎるのは、胡蝶蘭にダメージを与えてしまうのでやめておきましょう。

葉の色が白かったり、黒かったりする場合

葉が乾いた状態で白っぽくなっていたり、黒っぽくなっていたりする場合は、直射日光と暑さによる葉焼けが考えられます。胡蝶蘭は、強い日差しが苦手なため、直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうのです。

胡蝶蘭を置く場所は、カーテン越しに柔らかな日光が届く場所や日陰で風通しの良い場所を選びましょう。

葉に白い斑点があり、ツヤがない場合

葉に斑点が出てツヤがなくなってきた場合は、害虫被害が考えられます。害虫被害は、放置するとすぐに全体に広がり、株を弱らせる原因になるので、気付いたら市販の害虫駆除剤で早めに対処しましょう。

カイガラムシの成虫による被害は、害虫駆除剤が効きにくいです。葉を確認しながら、傷つけないように、ピンセットや毛の柔らかな歯ブラシを使って取り除いてください。

葉が黄色くなり、茎が赤黒くなっている場合

葉が黄色いだけでなく、茎が赤黒くなっている場合は、病気にかかっている可能性が高いです。胡蝶蘭が罹る病気には、さまざまな種類がありますが、株分け後にこの状態になっているケースでは、株分け時にハサミや手から病原菌が入ってしまったことが考えられます。病原菌へは、殺菌剤や消毒剤で対処してください。

胡蝶蘭の病気や対処法については、以下の記事でも紹介しています。

関連記事:【胡蝶蘭の育て方】お手入れ方法や置き場所などの注意点を解説

まとめ

胡蝶蘭は、株分けをすることで増やしていけるのも楽しみ方のひとつです。株分けをするためには、元気に成長している親株の存在が必須となります。長く楽しめる胡蝶蘭を育てるなら「京都花室 おむろ」をぜひご利用ください。

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