胡蝶蘭の茎や花茎が茶色に変色する原因は?対処法も解説

胡蝶蘭に興味を持ち、各部を調べていると聞き馴染みのない名称がよく出てきますよね。例えば、胡蝶蘭には「花茎」と「茎」と呼ばれる部位があり、胡蝶蘭を育てていると花茎や茎が茶色に変色することもあります。 変色する部位によっては危険信号と捉えられるものもあるため、慎重に観察することが大切です。 そこで今回は、胡蝶蘭の花茎や茎が茶色に変色する原因や、変色したときのお手入れ方法などについて解説します。


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胡蝶蘭の花茎が茶色になるのは自然なこと

大切に育てている胡蝶蘭が茶色に変色すると「枯れてしまうのでは……。」と心配になる方もいるのではないでしょうか。胡蝶蘭の部位によっては自然と枯れることで茶色に変化します。花茎が変色している場合は、自然と枯れていることがわかります。

ただし、茎が茶色に変色している場合は、根腐れや凍傷、病気などによって枯れ始めている可能性を考慮しなければなりません。まずは胡蝶蘭を観察して、どこの部位が変色しているのか確認しましょう。

■胡蝶蘭の部位と位置
花茎:花がくっついている細い茎の部分
茎:葉っぱの付け根の、根っこに近い太い部分

胡蝶蘭の「花茎」が茶色になった場合のお手入れ方法

先程お伝えした通り、花茎が茶色の場合は、自然に枯れている証のため過剰に心配する必要はないでしょう。とはいえ、胡蝶蘭はお祝いの品として頂くこともあり、大切な人からの贈り物などは綺麗な状態で長く鑑賞したいと感じるものです。

ここでは、胡蝶蘭の見栄えを整えたい方に向けて、変色した花茎のお手入れ方法をご紹介します。

花茎の根元からカットする

胡蝶蘭の変色が気になるときは、花茎を根本から切ることが一般的です。枯れた花茎の部分だけを取り除くことで、胡蝶蘭の体力を大幅に消費させることを防げます。

花茎を根元から切り落とすときは、必ずハサミの刃を加熱消毒して殺菌消毒をします。消毒せずに根本を切ると雑菌が切り口から侵入するおそれがあるので、ハサミの刃は火であぶるか、熱湯に浸けて殺菌しましょう。

花茎の途中からカットする

根本から切らずに茶色に変色した部分の、2~3cm程度下から切り落とすのも良いでしょう。花茎の節を3つほど残しておくと、2番花が咲く可能性があります。もう一度花が咲く姿を鑑賞したい方におすすめです。

2番花が咲き終わったら、花茎を根元から切り落として、胡蝶蘭の体力を温存させましょう。

胡蝶蘭の「付け根」が茶色になった場合は管理方法を見直そう

胡蝶蘭の根っこ付近の茎が茶色に変色した場合は、根腐れを起こしている可能性があります。この場合は、胡蝶蘭の管理方法から見直さなくてはなりません。

胡蝶蘭の基本の管理方法については、以下の記事で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

関連記事:【胡蝶蘭の育て方】お手入れ方法や置き場所などの注意点を解説

また、胡蝶蘭は栽培目的からビジネスシーンでの贈り物など、幅広い場面で愛されています。そのため、胡蝶蘭を自宅で栽培する場合と、オフィスなどで栽培場合とでは、育て方が異なります。

個人と法人に分けて、胡蝶蘭の健康を保つための管理方法をご紹介します。

個人の場合

胡蝶蘭は、温度管理が非常に大切です。室内で育てるときは、室温18~25℃になるよう調整します。暑くも寒くになり過ぎず、冬でも最低温度を15℃程度に保てる工夫が必要です。例えば、カーテンやブランド越しに日光が当たる場所に置くなどがあげられます。

ただし、冷暖房の風が直接あたる場所は避けなければなりません。例えば冬場の暖房は空気を直接温めるため、空気中の水分が水蒸気にならずに湿度が低下して乾燥が進みます。胡蝶蘭に直接あててしまうと、乾燥によって花を傷めるリスクがあるので、細心の注意が必要です。

次に水やりの頻度について説明します。春・夏は週2回、秋・冬は週1回が目安です。水を与えすぎると根腐れを起こしやすくなるので、表面が適度に乾いている状態を保ちましょう。

また、胡蝶蘭は、鉢のなかにポットのまま入れられていることが多いので、ポットにしっかり水が入るようにしてください。

法人の場合

法人がオフィスで胡蝶蘭を栽培する場合も日光が当たりやすい場所に置きます。窓際が暑いときは、2~3時間経ったら涼しい部屋に移動させましょう。

水やりの頻度は個人のとき同様に春・夏は週2回、秋・冬は週1回が目安です。オフィスの場合は業務時間があるので、午前中に水やり終わらせておくと効率的です。

また、オフィスは空調の影響で乾燥しやすい環境のため、時おり葉っぱに霧吹きで水をかけてあげると長持ちしやすくなります。

胡蝶蘭の茎が黒いときは「軟腐病」に注意!主な対処法

胡蝶蘭の茎が黒く変色している場合は、「軟腐病(なんぷびょう)」という病気に感染している可能性があります。軟腐病の症状には、胡蝶蘭の葉にまで変色が進んでいたり異臭がしたり、変色部位がブヨブヨした感触がしたりしているなどがあげられます。

胡蝶蘭が軟腐病を発症すると根本まで栄養が行き渡らなくなり、株が枯れてしまうおそれがあります。また、ほかの胡蝶蘭にも感染するリスクも考えられるため、早期の対処が必要です。

感染した胡蝶蘭を隔離する

まずは感染した株を急いで別室に隔離します。軟腐病は感染力が高く、水やり中の水滴やホコリを介して健康な株に感染する可能性があります。

薬剤を塗布する

感染した株を隔離したら、患部を切り落として、切り口にベントーレやダニコールなどの薬剤を塗布しましょう。これにより、根元まで感染が広がるのを防止できます。

ただし、薬剤はあくまでも応急処置であり、広範囲に感染が広がっている場合は手の施しようがありません。

発見が遅れて感染が広がってしまった場合は、新聞紙などで胡蝶蘭を包んで、可燃ゴミとして廃棄しましょう。

まとめ

花が付いているのに花茎が変色したり、根っこに近い茎の部分が変色したりしている場合は、病気にかかったり弱ったりしている可能性があります。自然現象なのか、病気なのかを見極めて、適切に対処しましょう。

胡蝶蘭の花茎の変色は自然に枯れているケースがほとんどのため、大きな心配は必要ないでしょう。

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