盆栽の種類・樹形|初心者におすすめの種類や育て方のコツ

みなさんは『盆栽』と聞くと、どのような樹木をイメージしますか?実は、盆栽にできる樹木はたくさんあり、種類ごとの魅力を楽しむことができます。盆栽を始める前に、どのような樹木があるのか、どの樹木が自分のライフスタイルに適しているのかを知っておきましょう。 本記事では、盆栽初心者の方に向けて盆栽の種類と育て方のコツについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。


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盆栽の種類

まずは、盆栽の基本となる4つの種類について解説します。

松柏(しょうはく)盆栽

松柏(しょうはく)盆栽とは、常緑樹を使った盆栽です。

・代表例:松、杉、檜(ひのき)、真柏(シンパク)など

盆栽の代表格ともいえる種類で、丈夫な樹木が多いため比較的初心者向きであるといわれています。1年中緑の葉を茂らせ、どっしりと構えた幹や根の力強さを味わえる盆栽です。

松柏盆栽のひとつ、京松の育て方については以下でも紹介しています。
ミニ盆栽(京松)のお手入れ・管理方法について!初心者でも簡単な育て方のしおり

葉もの盆栽

葉もの盆栽とは、落葉樹を使った盆栽です。

・代表格:紅葉、楓など

松柏盆栽との違いは、四季の移り変わりに合わせて違った姿の葉を楽しめることです。花や実はつきませんが、春は芽を出し、夏は緑が深まり、秋は鮮やかに色づき、冬は葉が落ちるといった変化が味わえます。

剪定などのお手入れが少なく、夏の過酷な気温や湿度にも強い丈夫さが特徴です。葉もの盆栽も初心者向きの種類といえるでしょう。

葉もの盆栽のひとつ、京紅葉の育て方については以下でも紹介しています。
ミニ盆栽(京紅葉)のお手入れ・管理方法について!初心者でも簡単な育て方のしおり

花もの盆栽

花もの盆栽は、文字どおり花を咲かせる盆栽です。

・代表例:桜、黄梅(おうばい)、木瓜(ボケ)など

花が咲き誇る時期が最大の見ごろとなり、花を観賞するだけでなくほのかな香りも楽しめるのが特徴となっています。花もの盆栽は比較的枝が伸びやすく、花が咲いていないときも剪定やお手入れを楽しめるでしょう。

見た目の華やかさから、プレゼントなどにおすすめの盆栽です。

花もの盆栽のひとつ、桜盆栽の育て方については以下の記事でご紹介しています。
ミニ盆栽(京桜)のお手入れ・管理方法はどうすればいいの?育て方と記録について

実もの盆栽

実もの盆栽とは、秋から冬にかけて実をつける盆栽です。

・代表例:藪柑子(やぶこうじ)、姫林檎(ひめりんご)、酸実(ずみ)など

実が主役となる樹木のほかに、花が咲く様子も楽しめる種類もあります。年末に向けてお手入れを行い、実際に赤や黄色などの鮮やかな実をつけたときには達成感を味わえるでしょう。

ほかの種類よりも比較的剪定の回数が少ないので、あまり手間をかけずに盆栽を楽しみたい方にもおすすめです。

盆栽の樹形の種類

盆栽とは、小さな鉢植えのなかで自然や風景を感じて楽しむものです。一般的な鉢植えとは異なり、盆栽の樹形には自然界の樹の姿から着想を得たいくつかの種類があります。

どんな形に育てていくのかは自分の判断で決められますが、基本の形を知っておくことが大切です。

直幹

・向いている盆栽:黒松、杉、檜、杜松など

直幹は、幹がまっすぐ上へと伸びた樹形です。しっかりと根を張らし、堂々とそそり立つ姿は自然界でよくみられます。盆栽においても、もっとも一般的な樹形です。幹は下部を太く育て、樹冠に向かって細くなる状態が美しいといわれています。

斜幹

・向いている盆栽:黒松、杉、檜など、多くの樹種

斜幹は、樹木が立ち上がる位置から倒れ掛かるように伸びた樹形のことです。木陰から陽の光を求めて枝や葉を伸ばす生命力が感じられます。樹木をしっかり支えるために、傾きと反対方向に根や枝を伸ばしていくことがポイントになるでしょう。

寄せ植え

・向いている盆栽:ブナ、杉、石化檜、松など

寄せ植えは、複数の樹を配置することで森や林を現している樹形です。左右どちらかに主木となる木を植え、その周りに寄り添うように大小の樹を配置していきます。枝同士が込み合わないように剪定を行い、奥行きや広がりを作ることが大切です。

模様木

・向いている盆栽:直立性の植物以外のすべての樹種

模様木も自然界ではごくありふれている樹形のひとつです。針金かけや剪定を行いながら、曲線を作っていきます。枝分かれするたびに向きを変えていく模様木からは、たくましく厳かな印象が感じられるでしょう。

吹き流し

・向いている盆栽:松類など直立性の植物以外のすべての樹種

吹き流しは、幹や枝が一方向にだけ傾いてなびいているような形をしています。まるで風が吹き荒れる海岸に生えているかのように幹や枝が伸びているのが特徴です。厳しい環境のなかでも生き延びる力強さが感じられる樹形となっています。

箒立ち(箒作り)

・向いている盆栽:ケヤキ

箒立ちとは、上向きにした帚(ほうき)のような樹形です。まっすぐ立ち上がった根本は途中から枝分かれし、上部で冠のように枝を広げます。均一に細い枝を広げていくには、こまめな剪定と管理が必要です。

初心者でも失敗しない盆栽の育て方のポイント

樹木の種類と、目指す樹形が決まれば、いよいよ盆栽育成のスタートです。ここからは、失敗しにくい盆栽の育て方をご紹介します。

保管場所

室内で育てたい方もいるかと思いますが、外の環境を再現するのが難しく、手間がかかるため、基本は屋外で育てることをおすすめしています。豪雪のときや鉢が凍るほど寒いとき、鑑賞するときは、一時的に室内に入れても問題ございません。

保管場所のポイントは、『日当たり』『風通し』『防風』の3つです。詳しく解説していきましょう。

日当たり

日当たりは弱すぎず、強すぎない場所が適しています。ただし、猫のおしっこが原因で枯れることもあるため、ご家庭の庭など、屋外に置く場合は注意してください。

夏の間は日差しが強くなるため、遮光ネットやすだれなどで日除けをしましょう。

また、室内で鑑賞する際も、できるだけ日当たりが良いところに置くのが理想的です。

風通し

盆栽は適度に風通しのある、空気がきれいな場所に置くようにしてください。日当たりがよく、床から60㎝~1mほど離せる棚の上が最適です。

盆栽を地面に直接置くのはおすすめしません。湿気がこもりやすく、害虫が付きやすくなってしまいます。コンクリートの上に直置きもよくありません。

夏場の照り返しは樹木を痛めます。また、エアコンの室外機の近くに置くと、乾燥し短時間で水枯れを起こしてしまいます。バルコニーやベランダで育てる際には注意してください。

防風

適度な風通しは必要ですが、強すぎる風は盆栽によくありません。普段から強風が当たらない場所に保管しておくほか、台風など突発的な状況の場合は一時的に風の当たらない場所へ移動させてください。

水やりの方法

盆栽のお手入れで初心者が心がけるべきポイントは、水やりです。適切に水やりをしないと、盆栽が枯れる原因となります。特に、ミニ盆栽など鉢の小さい盆栽は、土が少なく乾燥しがちなので、注意が必要です。

水やりの必要頻度や量は、季節によって以下のように変わります。

<頻度の目安>
・春・秋:1日1回
・夏:1日2回
・冬:2日に1回

上記はあくまで目安であるため、盆栽の様子を観察しながらこまめに水やりをしましょう。

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京松や京桜、京紅葉など、ラインナップも豊富なので、自分の好みにあった盆栽を選ぶことができます。ぜひお気に入りの一品をお選びください。

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まとめ

盆栽にできる樹木や樹形にはいくつかの種類があるため、自分が作り上げたい盆栽のイメージをもって仕立てていきましょう。初心者の方は、比較的丈夫でお手入れの簡単な樹木と樹形を選ぶのがおすすめです。インテリアや贈り物として盆栽を検討してみてください。