椿の特徴
椿(ツバキ)は、ツバキ科ツバキ属の常緑性小高木です。2000種類以上の品種があり、花の色や形がバラエティ豊かであると知られています。品種に合わせてさまざまな樹形に仕立てあげられることが魅力のひとつです。
丈夫で新芽が芽吹きやすい椿は、比較的育てやすいといわれていますが、寒さにはあまり強くありません。冬は地域の気候や気温に合わせて保護する必要があります。
京椿の盆栽については、こちらでも解説しています。
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椿盆栽を育てる際のポイント
ここからは、椿盆栽の育て方と気を付けるべきポイントを解説いたします。
日当たりと風通しの良い場所に置く
椿の保管場所は、基本的に屋外が推奨されています。ただし、強い日差しで根が蒸れると根腐りをするので、その場合は日陰に置くようにします。水切れにも注意しましょう。
夏は直射日光が当たらないよう日よけを用意し、半日陰~明るい日陰で育てます。
寒さに強い樹木ですが、冬は乾燥に気を付けてください。寒さの厳しい地域は冷たい風や用土の凍結から守るため、室内で保管するかビニールシートで保護しましょう。
こまめに水やりをする
表土が乾燥してきたら水を与えます。季節ごとの目安は次のとおりです。
・春と秋:1日1~2回
・夏:1日2回
・冬:2、3日に1回
上記はあくまで目安なので、実際に土を確認しながら水やりのサイクルを確認しましょう。
椿に限らず、どの植物も根から水を吸い上げます。水をあげるときは、鉢の底から水が流れ出るぐらいたっぷりと与えてください。表面が濡れても底まで水が行き渡っていない場合があるため、鉢底から出るのをきちんと目で確認するのがポイントです。
肥料は与えすぎない
椿は肥料との相性が良い樹種ですが、多く与えすぎると枝が強く伸びてしまい、花芽が付きにくくなります。花芽ができる6~7月に与える肥料はやや控えめにし、8月以降から徐々に量を増やします。
冬の寒さに備えるため、秋に肥料をたっぷり与えることが大切です。
椿盆栽のお手入れ方法と仕立て方
椿盆栽は育成が難しい樹種ではありませんが、性質に合わせたお手入れは必要です。ここでは、適切なお手入れ方法と仕立て方について解説いたします。
剪定
剪定は花が落ちた後から芽出し前の時期(2~4月)に行います。花芽が出る時期を見極め、育ちすぎないよう樹形を維持することがポイントです。また、椿は成長段階に応じて剪定方法や注意点が異なります。
樹形作りのための剪定では、1本の枝から1、2本の枝を残し、基本となる樹形を作ることが目的です。元から1、2葉を残して剪定し、不要な枝も整理していくと盆栽らしい樹形へと育ちます。
花芽を付けさせるための剪定は、新しい芽が伸び出す前にできるだけ早く切り詰めることが大切です。
樹形の維持のための剪定は、数年に1度行います。2~3年枝まで切り戻し、樹が大きくなりすぎないようにしてください。
針金かけ
樹形を形成するうえで重要な針金掛けは、水をよく吸い上げる成長期(5~7月)が適しています。新梢は太りやすく、針金が食い込み出すのが早いため、展開した葉の組織が固まったころが目安です。
枝の向きを癖付けるため、多少の食い込みには目をつぶる必要がありますが、深い傷にならないよう注意します。日頃からよく確認し、針金が食い込み始めたら位置をずらしたり巻き直したりして、傷がひどくならないようにしましょう。
古葉取り、葉すかし
古葉取りや葉すかしは、日当たりや風通しを良くするために必要なお手入れです。古葉に気が付いたら、葉を支える柄の部分を切り取ってください。
また、込み合っている部分の葉を減らしたり、ほかの葉に比べて大きすぎる葉は半分ぐらいに切ったりして葉の調整を行います。
芽かき(芽出し前)
枝を太らせたくない場合や枝数を増やしたい場合は、芽かきを行います。芽切りした場所から3個以上の芽が出てきたときに、2芽を残します。育つ枝の方向や全体のバランスを考え、残す芽を決めてください。
品種にもよりますが、1枝に花を多く付けるよりも、1~2花に収めるほうが品の良い盆栽になります。
植え替え
植え替えの時期は、花が終わった3~6月と秋季の10~11月頃とされています。常緑樹の椿には、気温が安定する4月下旬ごろが特に最適です。
椿は発根が旺盛な樹種なので、根詰まりを起こしやすいといわれています。鉢底から根が出てきたら数年に1度を待たずにすぐに植え替えをしましょう。
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まとめ
丈夫で育てやすい椿は、盆剤初心者にもおすすめの樹木です。品種によって多種多様な花を咲かせ、違った趣を味わえます。自分のお気に入りの樹木を見つけて、形成や花の鑑賞を楽しみましょう。どの椿が良いかお悩みの方は、プロの職人が選定した商品をチェックしてみてください。