盆栽で松を育てる方法|基本のお手入れや年間スケジュールを解説

盆栽として仕立てる植物はたくさんありますが、なかでも主流なのが松です。縁起の良い植物であるとともに、初心者でも管理しやすいことからも高い人気があります。この記事では、盆栽で松を育てるときのポイントや、年間を通したスケジュールについて解説します。


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松の盆栽の主な種類


ひとくちに松といっても、さまざまな種類があります。ここでは、松の盆栽の種類についてご紹介します。

黒松

黒松は、松のなかでも丈夫で初心者でも育てやすい種類です。東北より南の地方に自生しており、別名「男松(おまつ、おとこまつ)」とも呼ばれています。黒松は寒さや暑さといった気温差や病虫害にも強く、成長も比較的早いのが特徴です。

五葉松

五葉松は、成長すると短い枝から葉が5本ずつ生えてくるのが特徴で、別名「姫小松」とも呼ばれています。難しいお手入れが必要なく、気温差にも強いことから初心者にもおすすめです。また、「御用(五葉)を待つ」という意味もあり、ビジネスシーンの贈答品としても適しています。

五葉松については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
五葉松の盆栽の魅力とは?ギフトにおすすめの理由と育て方ガイド

赤松

赤松は、マツ科マツ属の常緑針葉高木です。女性のようなしなやかでやわらかいラインの樹形から「雌松(めまつ)」とも呼ばれています。一年を通して常緑を楽しめ、樹齢が長いことから「不老長寿」の花言葉を持っています。

松の盆栽の育て方

まずは、松の盆栽の基本の育て方をみていきましょう。

置き場所

松の盆栽は、どの種類でも風通しの良い場所で育てるのが基本です。

日当たりが良い場所を好むため、屋外で育てる方が良いとされています。室内で鑑賞する際は冷暖房が直接当たらず、日当たりと風通しが良い場所に置くようにしましょう。また、鑑賞する期間としては、春~秋は2~3日、冬は1週間が目安です。

松は寒さと乾燥には比較的強いとされていますが、強い風が吹きつける場所は避けて管理することが大切です。

水やりの方法

松の水やりは、少し乾燥気味にするのがコツです。鉢の土が乾いてから次の水やりをしましょう。季節ごとの目安は、春・秋なら1日1~2回、夏なら1日2回、冬なら2、3日に1回程度です。とはいえ、あくまで目安であるため、盆栽の様子を見ながら水を与えるようにします。

土に水やりした後は、葉の上から霧吹きなどで水をかける「葉水(はみず)」を行います。夏場など暑い時期の葉水は、葉の乾燥防止や害虫予防にも効果的です。

肥料の与え方

肥料を与える時期は、活動期の3〜5月と、10月の月1回程度を目安に与えましょう。梅雨や夏場には肥料を与えないようにします。

病害虫対策

松の生育を妨げないためにも、定期的に殺虫剤や殺菌剤を散布します。特に注意したい害虫は、アブラムシ・ハダニ・カイガラムシです。

カイガラムシやアブラムシの糞によるカビが原因の「すす病」という病気にも注意が必要です。そのほかにもさまざまな病気にかかる可能性があるため、松の様子をみながら適切に対処することが重要です。

【年間スケジュール】松の盆栽のお手入れ方法

ここでは、松の盆栽のお手入れ方法を、時期ごとの手順を含めて詳しく解説します。

【3~4月】植え替え

3月~4月中旬の春先には、まず鉢の土を新しいものに入れ替えて水や空気の通りを良くし、新しい根が育ちやすい環境を整えます。

植え替える頻度は、若木の場合は2年に1回、成木の場合は3年〜5年に1回程度です。新芽が生えてくる頃が植え替えの目安となります。

【4~5月】芽摘み

4月中旬~5月上旬頃は、新芽の先端をピンセットや手で摘みとる作業を行います。新葉が開いて固まってきた頃に摘むのが目安です。

芽摘みでは、つくしのような形をした「ミドリ」と呼ばれる新芽を適切な長さに切り取ります。あまり強い芽摘みをすると松全体が弱ってしまうので注意しましょう。

【8~9月】芽かき

8~9月頃に行うのは、芽かきという作業です。芽摘みをした部分から2番芽が伸びてくるため、不要な2番芽を2芽ほど残して元から切り取っていきます。

不要な芽を放置しておくと、太くなったり不要な枝が増えたりして見栄えが悪くなります。また、太くなった枝を後から無理に切ると松に傷がついてしまうこともあるので注意が必要です。

【11月】葉すかし

11月頃には、前の年に出てきた古い葉を切り落とす「葉すかし」という作業を行います。古い葉を枝の付け根から切り取ったり、ピンセットで抜いたりする作業です。

古い葉は日差しや風を遮ってしまうため、この時期にしっかり対策しておきましょう。

【12~3月】針金かけ

12月〜3月に行うのが針金かけです。松の枝に針金を巻きつけ、枝の形や位置を変えたりする作業のことを指します。

一度の針金かけで一気に形を整えようとせず、何年かかけてゆっくり曲げていく方がきれいに仕立てられます。

【2~3月】剪定

2〜3月頃の休眠期と呼ばれる時期に行うのが剪定作業です。剪定は植物の生命を絶つことなく幹や枝、根などを切って樹形を整える作業を指します。

まずは見栄えがよい角度を探して、盆栽の正面を決めます。その後、全体のバランスを見ながら剪定する枝を見極め、枝の根元から切っていきましょう。

まとめ

盆栽の中でも松は丈夫な種類が揃っているため、初心者でも比較的育てやすいです。とはいえ、「しっかりお手入れできるか不安…」という方もいるでしょう。

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従来の松盆栽とは異なり、難しいお手入れは一切必要ありません。常緑のため、毎年美しい樹形を楽しめるのも魅力です。栄転や異動祝いをはじめ、大切な方へのギフトとしても、ぜひご検討ください。

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