盆栽に苔を使用するメリット
盆栽に苔を使用するメリットは、見た目の美しさと保水性、土の流出を防ぐ効果が得られることです。
茶色い土に緑の苔をのせると鉢と樹が馴染みやすく、盆栽の美しさが際立ちます。緑豊かな大地をイメージできて、より一層自然に近い盆栽を楽しむことができるでしょう。
また苔は潅水したときにスポンジのように水分を吸収できるため、保水性に優れています。盆栽周辺の湿度が保たれることで、用土の乾燥を防いで根を守ってくれます。
特に盆栽を植え替えした直後は、水やりをする度に用土が鉢から流れやすくなります。そのままの状態では根がむき出しになるため、苔を張って用土の流出を防ぐことも可能です。
盆栽に向いている苔の種類
盆栽の苔は種類が多く、その特徴もさまざまです。ここでは盆栽に適した苔をご紹介します。
スナゴケ
スナゴケは鮮やかな黄緑色をした星型の苔で、見た目が可愛らしく人気があります。簡単に管理できるので、盆栽初心者でも扱いやすいのが魅力です。
日照や乾燥に強く、落ち着いた和の雰囲気を作れるため、お手入れしやすい苔を探している方におすすめです。
ただし、土の上にスナゴケをのせるときは、温度差が激しすぎる場所に置くと枯れてしまうことがあるので気をつけましょう。スナゴケは高温多湿に強く、半日陰でも成長するので室内向きの苔ですが、光合成のために適度な日光は必要です。
ヤマゴケ
ヤマゴケは盆栽の根元を飾るために使われることが多く、初心者でも育てやすい特徴があります。乾燥に強く、水分が不足しても省エネモードに切り替わりますが、水を与えると復活します。ヤマゴケは盆栽用として使用する以外にも、苔玉や苔テラリウムにも適しています。
ハイゴケ
ハイゴケは日本各地に生息していて、湿度や日当たりの良い土の上や岩の隙間などの場所を好みます。高温多湿に強く、日当たりが悪い場所でも問題ありません。
簡単に育てられるので室内の観賞用として人気がありますが、適度な日光は必要です。ハイゴケはボリュームがあるため、ディスプレイや装飾にも多く使われています。
盆栽用に向いていない苔
盆栽用の苔には、盆栽に向くものと向かないものがあります。例えば、雑草のような見た目のゼニゴケやツノゴケは、盆栽にのせると良い印象を与えません。水はけも悪く管理しにくいので、初心者は別の苔を検討した方が良いでしょう。
また、カマサワゴケも盆栽用の苔には不向きです。高さがあり水を弾く性質があるため、必要な水分を根に届けることができずに水切れの原因になりかねません。
地面を這う特徴がある「ゼニゴケ」「ハタケゴケ」「ツノゴケ」などは、見栄えが悪くなるため、盆栽用の苔に選ばない方が無難です。
盆栽に苔をのせる方法
盆栽に苔を張るときは、なるべく隙間を作らないようにして、隙間を埋めるように丁寧に苔を敷き詰めていきます。苔が鉢からはみ出してしまったら、ヘラ付きのピンセットで鉢の中に収まるように整えておきましょう。
手が入らない場所に苔を張る際も、ピンセットを使うと簡単に作業できます。また、苔は一種類だけでなく、数種類使って敷き詰めていくと、自然に近い大地の緑が再現できます。
最後に水をあげて安定させましょう。ただし、苔が盆栽に定着するまでに乾燥してしまうと、剥がれやすくなるため注意が必要です。
盆栽に苔を張る際の注意点
苔はさまざまな要因で変色しやすいため、お手入れする際には以下のポイントを意識しましょう。
・水分を与え過ぎない
・ハンドクリームや食器用洗剤、ハイターなどが触れないようにする
・風通しが悪い場所に長時間置かない
・状況によって張り替えを検討する
苔は水分を蓄える性質があり、水を与え過ぎると茶色に変色しやすく、根腐れを起こすリスクが高まります。ハンドクリームや食器用洗剤、ハイターなども苔に悪影響をおよぼすため、注意が必要です。ハンドクリームを塗った直後は苔に触れないようにしましょう。
苔は蒸れてしまうと湿気を溜め込みやすくなり、茶色に変色してしまうことがあります。風通しが悪いと蒸れやすくなるため、日当たりと風通しの良い場所へ移動します。上記以外にも、寿命により茶色に変色しやすくなる場合もあるので、その場合は張り替えを検討してください。
盆栽の育て方については、以下の記事でもご紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
まとめ
盆栽に苔を張ると見た目が美しくなり、保水性や土の流出を防げます。苔選びに迷ったときは、お手入れしやすいスナゴケやヤマゴケ、ハイゴケなどを使うと良いでしょう。
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また、難しいお手入れは一切不要です。盆栽と一緒に苔も付属でついているので、一度に揃えられます。盆栽と苔をセットでお探しの方は、「京都花室 おむろ」まで、お気軽にお問い合わせください。