盆栽の土はどんな種類がある?おすすめの配合例についても紹介

盆栽を植え付けるときに、どのような土を使うと良いのかと悩む方は多いのではないでしょうか。この記事では、盆栽用の土に必要な条件や、盆栽用の土の種類と配合方法などについて解説します。


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盆栽用の土はとても重要!その理由は?

盆栽用の土は、盆栽にとって非常に重要なものです。盆栽はただ植物を育てるのではなく、四方に根を張らせ、樹形を整えて、その美しい立ち姿を楽しむものでもあります。

そのため、観葉植物などとは異なり、横に根が張りやすい、浅く小さめの鉢で育てるのが一般的です。盆栽用の土は、そんな浅く小さな鉢のなかで、植物をしっかりと支える土台の役割を担っています。

また、せまい鉢のなかで根を太く健康に育て、樹木に水分や栄養分を送ることも、盆栽用の土がもつ重要な役割です。

つまり、盆栽用の土は、植物に適した環境を作るためのものだといえます。下記の記事でも盆栽用の土について解説していますので、あわせてご覧ください。
ミニ盆栽の植え替えに挑戦!方法や時期、最適な土の種類などについて解説

盆栽用の土に必要な3つの条件

盆栽用の土として適しているのは、以下の3つの条件を満たす土です。

1.根に水分を送るための十分な保水性
2.余計な水分を溜め込まず、根腐れを防止するための排水性
3.土のなかに新鮮な空気を取り込む通気性

保水性と排水性・通気性と矛盾した特徴を兼ね備えた土のことを、「粒土(りゅうど)」と呼びます。 粒土にはさまざまな種類があるため、盆栽の大きさや植えている植物の性質などに合うものを選びましょう。

盆栽用の土の種類

盆栽に合った粒土を選ぶために、盆栽用の土の種類とそれぞれの特徴を知っておきましょう。

赤玉土(あかだまつち)

赤玉土は、盆栽はもちろん、さまざまな植物に使われている弱酸性の褐色の土です。盆栽用の土の条件である、保水性・排水性・通気性のバランスが良い特徴があります。

大粒・中粒・小粒・ごく小粒などの大きさのものがあり、硬質赤玉土・準硬質赤玉土など硬さにも種類があります。

粒が小さすぎるもの、やわらかく潰れやすいものは、余分な湿気や水分が溜まりやすく、夏場に蒸れて盆栽に悪影響が出る可能性があります。盆栽には粒がやや大きめで、潰れにくい硬質赤玉土などを使うのがおすすめです。

鹿沼土(かぬまつち)

鹿沼土は、栃木県鹿沼地方の関東ローム層で採取されている、赤城山噴火後の火山灰からできている土です。保水性が高く、湿気が溜まりやすいため、盆栽に使うときには少し荒めの粒を選びましょう。

酸性の土なので、サツキを植えるときにおすすめです。また、植物の生育をサポートする性質があるので、若木を育てるときは鹿沼土の割合を多めにすると良いでしょう。

日向土(ひゅうがつち)

日向土とは、宮崎県南部の霧島系火山帯で採取されている、白い軽石です。乾燥状態の場合は「日向土」、湿った状態では「ボラ土」と呼ばれます。

日向土は粒が硬いためくだけにくく、排水性が高いのが特徴です。保水性・保肥性はほとんどないので、鉢底石にするか、赤玉土などと混ぜて使います。

黒土

黒土とは関東地方の畑で取れる、黒く細かい、しっとりとした粒状の土です。保水性・吸肥力が高く、日光を吸収して土のなかを温めます。赤玉土と混ぜて雑木盆栽の植え付けに使うと、枝先が細やかに育ちます。

砂類

土の排水性や通気性を高めたり、根を分岐させたりするために、砂類を使うこともあります。盆栽によく使われるのは、桐生砂・富士砂などです。天神砂・生駒砂・浅間砂・矢作川砂などもあります。

松柏盆栽の植え付けの際には砂を使うことが多いですが、関東の松柏盆栽には桐生砂、西日本の松柏盆栽には天神砂を用いるのが基本です。天神砂は手に入りにくいので、生駒砂などで代用してもかまいません。

腐葉土

腐葉土とは、樫やクヌギなどの葉っぱが腐敗・発酵することでできる栄養豊富な土です。盆栽に使うときには、黒土のような質感の、枝や葉っぱが残っていないものを選びましょう。

また、腐葉土は湿っていて、害虫や害虫の卵、カビ、病原菌などが含まれていることがあるので、使用前に日光でしっかり滅菌する必要があります。

ケト土

ケト土とは、川や沼、池、湿地などの底に堆積した植物が、腐敗・発酵してできる黒褐色の土です。粘着力があり保水性が高いので、挿し木や石付き盆栽(石を鉢に仕立てた盆栽)の種類に合わせてブレンドされた専用の土がおすすめです。

まとめ

盆栽用の土は、盆栽の土台となり、植えている植物に水分や栄養分を与える重要なものです。いろいろな種類があるので、盆栽の大きさや植物の性質に合う土を使うようにしましょう。

盆栽初心者で、どの土を選べば良いのかわからない方は、自分で盆栽を植え付けるのではなく、プロが植え付けた盆栽を購入するのがおすすめです。

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