紫式部の盆栽の特徴
紫式部は日本や中国、台湾などのアジア圏に自生する植物です。控えめながら美しい花、鮮やかな紫の果実、秋に緑から黄色に変化する葉など、1年中さまざまな変化を楽しむことができます。
その美しさから海外でも非常に評価が高く、英語で「Japanese beautyberry」、学名で「Callicarpa japonica(日本の美しい果実)」と名づけられるほどの人気ぶりです。
紫式部の種類
「ムラサキシキブ」には紫式部と小紫(コムラサキ)があり、流通の都合からまとめてムラサキシブと呼ばれています。なお、ムラサキシキブとして市場に出ているもののほとんどは小紫です。
紫式部と小紫はそっくりな見た目をしていますが、別種なので異なる部分も多々あります。
【紫式部の特徴】
・樹高は2~3m程度
・枝がまっすぐ伸びる
・葉の縁全体に深めの鋸歯(ギザギザ)がある
・鮮やかな赤紫色の花が咲く。花弁は4~5mm程度
・大きめの果実がまばらにつく
【小紫の特徴】
・樹高は1~2m程度
・枝が細めで垂れる
・葉は紫式部よりも細く小ぶりやや巻いており、先だけ鋸歯になっている
・花も紫式部より小さく、やや淡い色合い
・小さめの果実がまとまってたくさんつく
紫式部の盆栽の育て方
年間を通していろいろな姿を楽しめる紫式部は、盆栽にもおすすめです。ここからは、紫式部の盆栽の育て方を紹介します。
置き場所
紫式部の盆栽は、日当たりと風通しが良い屋外に置きましょう。日光が不足すると花つきも悪くなります。ただし、夏の強い直射日光や西日は避けてください。冬は冷たい風が当たったり霜が降りたりする場所に置かないことが肝心です。
水やり
紫式部の盆栽の水やりは、下記の頻度を目安に行いましょう。
・春秋:1日1~2回
・真夏:1日2回
・冬は2日に1回
ただし、上記はあくまでも目安であり、条件によって頻度が変わります。水やりから土が乾くまでのサイクルを確認し、乾燥する頻度で水やりをしましょう。例えば給水から2日で土が乾くなら2日おき、3日で乾くなら3日おきに水を与えます。
間隔を空けすぎて水切れを起こすと蕾や花が落ちることもあるので、特に夏は水やりのタイミングに注意しましょう。
また、植物は根から水を吸うので、土の表面を濡らすだけでは水切れを起こす場合があります。鉢底から水が流れてくるのを目で確認できるまで、たっぷりと与えてください。
肥料
紫式部の盆栽には年3回、5・6・9月頃に肥料を与えましょう。肥料が少なすぎて窒素やマグネシウムが不足すると、葉の色が薄くなったり変色したりする場合があります。
一方で、肥料が多すぎると樹勢も強くなりすぎるので、少し控えめにするのがポイントです。
紫式部の盆栽のお手入れ方法
続いて、紫式部の盆栽の剪定や針金かけ、植え替えなどのお手入れ方法を紹介します。
剪定
紫式部は生命力が強く成長も早いので、樹形を維持するには毎年剪定する必要があります。剪定の時期は8~9月がおすすめです。
生育が早いといわれると、短く切っておきたくなりますが、枝を切りすぎると開花しないこともあります。そのため3節ほど残すようにしましょう。なお、枯れてしまった枝は切り詰めても問題ありません。
針金かけ
針金かけはどの時期でもできますが、成長期または落葉後が作業しやすいのでおすすめです。
また成長が早いので、針金をかけた箇所をこまめに観察し、針金が食い込む前に外してください。ハサミ作りも可能ですが、幹枝の模様は針金かけのほうがキレイにできます。
なお、太枝や古枝に針金をかけると折れることがあるので、注意しましょう。
植え替え
紫式部の盆栽の植え替えは2年おきが目安で、おすすめの時期は2月下旬~3月頃です。ただし、紫式部はどんどん成長するので、鉢底から根が出てきていたら時期を待たずに植え替えましょう。
根切りは全体の1/3~1/2程度です。若木の根は短めに切っても良いですが、古木は長めに残します。
また、用土は水持ちと通気性、排水性を兼ね備えたものが理想的です。腐葉土と大粒の赤玉土、桐生砂などを混ぜてみましょう。
下記の記事にて、盆栽の植え替え方法をより詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
「ミニ盆栽の植え替えに挑戦!方法や時期、最適な土の種類などについて解説」
病気や害虫対策
紫式部には下記の害虫がつきやすい傾向にあります。
・アブラムシ
・葉ダニ
・ハマキムシ
・カイガラムシ など
こまめに全体を観察し、害虫がついていたら薬剤を散布して対処しましょう。また、梅雨時期や風通しの悪い場所に置いて湿気が溜まると、うどんこ病が発生することもあるため注意が必要です。
まとめ
紫式部はきれいな花や美しい色合いの果実、紅葉する葉など、さまざまな姿を楽しめる植物です。生命力が強く初心者でも育てやすいので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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