【盆栽入門】肥料の種類や与え方の基礎知識を紹介!樹種別に解説

盆栽は、小さな鉢で育てるのが一般的で、土が少ないため、本来必要な栄養が足りないことがあります。盆栽を健康に美しく育てるためには、適切な量の肥料を定期的に与えることが重要です。今回は、盆栽で使用される肥料の種類をはじめ、肥料の基礎知識や与える際の注意点について紹介します。


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盆栽で使われる肥料の種類

盆栽に使われる肥料は、大きく分けて「有機質肥料」と「無機質肥料」の2種類に分類されます。

種類 原料例 効果 主な特徴
有機質肥料 油かす、骨粉、魚かす、鳥フンなど 長期間にわたって効果が持続 自然由来の素材で、ゆっくりと栄養供給
無機質肥料 鉱物、石油由来の合成肥料 即効性が高い 化学的に合成され、短期間で効果が現れる

大きな違いは、有機質が長期間にわたって緩やかな作用があるのに対し、無機質は短期間で素早く作用する点です。どちらを選ぶかは、育てている樹種や栽培状況に応じて、適切に判断しましょう。

さらに肥料は、形状によって「固形肥料」と「液体肥料」が存在します。固形肥料は用土の上に置いて、徐々に栄養を放出させるもので、特に有機質肥料に多い形状です。液体肥料は水で薄めて使用するもので即効性があり、無機質肥料に多く見られます。

【樹種別】盆栽の肥料の基礎知識

盆栽に適切な肥料を与えるためには、樹種や成長段階に応じた施肥の方法を理解するのが大切です。盆栽の種類によって栄養の必要量や与えるタイミングが異なるため、正しい肥料の選択と適切な施肥が、盆栽の健康な成長を支えます。

また、肥料の量はパッケージに記載された指示に従い、不足なく与えましょう。ここからは、代表的な盆栽の樹種ごとの施肥方法について詳しく解説します。

松柏盆栽

松柏(しょうはく)盆栽は、五葉松、黒松、赤松などが代表的です。これらの松柏盆栽に肥料を与える際は、油かすを土に埋め込むように、樹の四隅から少し離して置く方法が基本です。さらに、骨粉や魚かすを少量混ぜることで、枝葉がより生き生きと育つ効果が期待できます。

施肥のタイミングは、樹が活動を開始する3月から5月、そして秋の10月が理想的です。これらの時期に月1回の頻度で肥料を与えることで、樹木の健やかな成長を促進します。

葉もの盆栽

葉もの盆栽は、紅葉、楓、イチョウ、ブナなどが代表的な樹種です。これらの盆栽は、基本的に有機性の固形肥料(玉肥)を用土に埋め込むように置きます。固形肥料が徐々に土の中で分解され、樹木に必要な栄養を長期間にわたって供給し続けるでしょう。

施肥のタイミングとしては、春の成長期に2~3回、秋の落葉期前に1~2回が適切です。これにより、葉もの盆栽は季節ごとにしっかりと栄養を吸収し、美しい葉はもちろん紅葉も楽しめます。

花もの盆栽

花もの盆栽は、桜や黄梅(おうばい)など、美しい花を楽しむための盆栽です。肥料は、油かすに骨粉を3割程度混ぜたものが良いでしょう。特に、窒素、リン酸、カリウムがバランス良く含まれた肥料を選ぶことで、花の発色や形を美しく保てます。

施肥のタイミングは開花期間に応じて変わりますが、基本的に発芽期に肥料を与え、開花時期には施肥を控えるのがポイントです。開花時期に肥料を与えすぎると、枝葉が過剰に成長してしまい、花の色や形に悪影響を及ぼす可能性があります。

実もの盆栽

実もの盆栽は姫林檎(ひめりんご)、花梨(かりん)、キンズなど果実を楽しめる盆栽です。実もの盆栽は花と実のどちらも観賞の対象となるため、肥料の量やタイミングに注意します。

肥料には、油かすを7~5割、骨粉を3~5割程度配合したものを使用し、特に窒素よりもリン酸とカリウムが多く含まれるものを選びましょう。

施肥の時期は、樹の開花や結実の時期に応じて異なりますが、発芽期と実がある程度大きくなったあとが基本的なタイミングです。

盆栽に肥料を与える際の注意点

肥料の使い方を誤ると、盆栽に負担をかけてしまいます。ここからは、盆栽に肥料を与える際の注意すべきポイントを2つに絞って紹介します。

1.施肥時期に気を付ける

盆栽に肥料を与える際は、時期に気を付けなければなりません。基本的に梅雨の時期や冬期、真夏の高温期、さらに花芽が形成される7月下旬から8月ごろの花芽分化期、そして植え替え直後は施肥を控えるのがおすすめです。

これらの時期は盆栽にとって環境ストレスが高まり、肥料を与えると樹木に負担をかけ、逆に樹勢が弱ってしまう可能性があります。

2.樹の状態を観察しながら調節する

盆栽に肥料を与える際は、樹木の健康状態を日々観察しながら適宜調節しましょう。肥料は、植物本来の生命力を「補助」する役割を果たしますが、無闇に与えると逆効果です。基本的には、葉が濃い緑色で元気な状態のときにのみ肥料を与え、樹勢が弱っている場合は肥料を控えて植物自体の回復に努めます。

ポイントとなるのは肥料だけでなく、用土の質や水やりの仕方、日当たりの改善など、植物が健康に育つための環境を整えることです。適切な観察と管理が、長く健やかな盆栽の育成につながるでしょう。

盆栽の育て方は、こちらの記事をご覧ください。
初心者でも安心!誰でもできる盆栽の育て方をご紹介

まとめ

盆栽の肥料には、大きく「有機質肥料」と「無機質肥料」の2種類があります。盆栽の種類によって、与える肥料の種類が異なるため、適切なものを選んで育てるようにしましょう。

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